着物のお手入れ、職人さんに感謝。東京の洗い張り屋さん、鹿島屋さん。2 そこまでの経緯
これまでの経緯を説明しますね。
老母の桐の箪笥には着物がたくさん。でも全然着なくなってて。
今まで遠慮してたけど。ついに開封してみたら。なんと、シミだらけ!
チラシで西尾呉服が「京都から本場のお手入れ職人さんを承知」「料金を安くします」ってのがあったので。
他人には譲れないようなの、家紋のついてるのを大きなキャリーバッグに詰めて持参したら。
★ 黒留め袖
★ 一つ紋の水色の色無地
★ 一つ紋の黒い短い羽織
一つ紋の水色の色無地について。
シミ取り職人さん「シミ、ヤケがひどい。洗い張りをしてから、全部染め直すべき」
「サイズが小さい。身丈も短いし、身幅も短いし。貴方が着るのなら、大きめに仕立て直しすべき」
見積りが15万ぐらい!
私シブチンに粘りに粘って「この防水加工は1万いくらもするのね。いらないです。省略したら安くなるのでは」と言っても、店員が困り切ってて必死で防水加工をおすすめしてくるから。
私は申し訳ないけど、断りました。
他にも、黒留袖のカビ臭いのの消毒が一万いくらぐらいとか。洗い張りと仕立て直しだけでもかなりの高額すぎるし、店員が防水加工を必死ですすめてくるし。
西尾呉服の方針なのかどうなのかはわからんけど、店員が見積もりで必死で防水加工をすすめてくるし、ここにはシミトリやお手入れの相談では無理。
=====================
特にひどいと言われた、一つ紋の色無地を、どうにかしたい。
次に、神奈川県平塚市の洗い張り屋さんD屋に、LINE登録をして、写真を添付して送付して事情説明。
私の身長体重、BWH、裄丈、などできる限り書いて。
宅急便で発送。
携帯電話に着信があったので、かけ直したら、受付女性が困り切った声で
「着物のサイズが小さすぎて、ご希望のサイズに仕立て直しはとてもじゃないけど無理です」
「この着物の身丈が150cmで。身長160cmの方向けになんて無理です」
「この着物の身幅も小さいですし」
私驚いて! 以前のN呉服屋だと仕立て直しができそうな感じだったので!
LINEでも、老母の着物がそこまで小さくて私向けには仕立て直しが無理だなんて驚きましたと書いて。
店主の男性が出てきて。
困り切ったような声で。声が暗くて。
「この着物の仕立て形には余裕がなくて」
「シミとりだけじゃなく、ヤケもひどいので全部染めるので、かなりの額がかかるはず」「洗い張りをした後、染め直して、仕立て直しだから。5万か6万か」
困り切ったような声で。声が暗くて。
返送してもらって。
ショックで。
============
返却してもうた着物を、私が再度試着してみたら腰骨あたりにギリギリきたら十分だし。身幅は狭いのかどうかは私には判断できないけど。
ネット検索をして。
身幅の狭い着物ならこういう方法で着るというのもあるし。諦めきれなくて。
=======================
ネット検索で、洗い張りもできるし布のりしあげもするという希少な店を見つけて。
東京の洗い張り屋さん、鹿島屋さん。
電話で事情を説明をして。
私「老母のお古の着物。サイズが小さいから仕立て直しが無理かもしれないと言われて。そちらでは、仕立て直しが可能かどうか。もし小さければ、ネットで得た情報で自分なりに工夫して着る方法をとりますので」
鹿島屋さん「シミとりだけじゃなく、ヤケもひどいので全部染めるので、かなりの額がかかるはず」「洗い張りをした後、染め直して、仕立て直しだから。6万に消費税で7万いくらぐらい」
「シミ、ヤケがひどいので、全部解いて洗い張りをして、全部を脱色をしてから、又ゼロから全部を染め直して。家紋が落ちるのでゼロから入れ直したら。だいたい総額が6万いくらに消費税で7万ぐらい」
西尾呉服屋の招致したシミ取り職人さんの見積り15万いくらよりはずっとお安いのね(まあ、防水加工一万いくらもセットにするとか色々+されてるからってのもあるけど)。
神奈川県平塚市のD屋さんの言ってた5万か6万ぐらいよりも高額。D屋さんはボッテルわけじゃないのね。疑ってごめんなさいね。
私は鹿島屋さんの説明でお受けすることにしました。
私「今回は洗い張りだけ、仕立て直しだけにします」
私「そして又汚れたら、その後もその着続けたければ、その時にこそ、洗い張りと脱色と全部の染め直しと紋の入れ直しと仕立て直しとを全部やるつもりです」
そういう条件でお受けくださって。
鹿島屋さん「洗い張りと仕立て直しだけなら、3万いくらですね」って。
FAXでも事情を説明をして。
お受けくださって。
鹿島屋さんが「私の知り合いで腕のいい和裁士さんにお願いをして。できる限りの腕をふるってほしいって言いましたので」
仕立て上がりが届いた。
十分、満足、満足。
身丈も余裕だし。
身幅も余裕だし。
サイズは満足だし。
私が自分で見ても、老母の着物の中で一番似合うてる気がするよ。これが一番のお気に入り。
老母に見てもらって、私が「よう似合打てるやろ?」言うても、お愛想だろうけど「うん」って。
鹿島屋さんの仕事仲間の和裁士さんはかなりの凄腕なのかな? 袷の小さなサイズの着物でもできる限り大きく仕立て直すだけの技術があるのか?
それとも、私が事前に「できる限り事情説明をして、小さくても無理なら無理で、ネットで調べた方法で工夫する」と書いたのが良かったのかな? 仕上がりはもう、私の十分満足のいく大きさだったし。
両脇の汗シミの後は、全身像の写真からは分からないし。
両脇を閉じるから、目立たない。
近くでよう見て、両脇を広げると、ウッスラと汗じみの跡はわかる。
でも私はかまわない。
ヤケの跡も、近くでよう見たらわかるよ。
でも私もかまわない。
この着物の例が着物愛好家達への資料として役にたてばいい。
「洗い張りだけでは、こうだよ」って。
そういうのをみんなのお役に立てたいな。
この着物のサイズ仕立てが気に入ったし。実際に着てみて、サイズが大きいから似合うし一番のお気に入りになったし。
着続けて着続けてあげて、次回の洗い張りと脱色と染め変えを一大イベントにしたいな。
その時は、鹿島屋さん、よろしく。
この色無地の青色と灰色との中間の色が気に入ってるけど。
これ以外の色に染め直した方がいいのかな?とか。
この色無地の地模様が森林なので、青色と灰色との中間の色が一番合うのかもしれない。
東山魁夷の青い森林の絵みたいでしょ。
着物のお手入れの本で「着物に黄色いシミができたら、いっそのこと黄色に染め直しては」って黄色い着物の写真の例があったけど。
地模様が森林だと、黄色に染めるとイマイチきまらないような気がして。
地模様が森林だと、似合いそうなのは、青か緑か白でしょうけど。私には、緑色や白色が似会うとは思えないしね。他にどんな色がいいのか相談のってくれる方がいればよろしく。